今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「航太。もっと、頑張らないと、ダメなのかな。せいっぱいやってたよね? 練習してたよね? それなのに、これ以上、なんて……」

 航太の腕を握りしめて、陽菜の目から涙が零れた。


「んっ……うっ……」

 陽菜は声を殺して泣いていた。

 航太はそんな陽菜を抱き寄せると、

「大丈夫。陽菜はこれ以上ないくらいにやってるよ。俺は知ってる。朝練だって、誰よりも早く行ってトレーニングしていることも、人の何倍も練習しているのもちゃんと知ってる。だから、何も不安に思う必要はないから。今の陽菜で充分だよ」

 言い聞かせるように宥めるように言葉を紡いだ。

 陽菜は航太の腕の中で、言われた言葉を噛みしめるように頷くと、また涙を流した。


 とめどもなく溢れてくる涙と嗚咽。
 陽菜は静かに泣いていた。


 航太の腕の中で……



 俺は何も出来ずに、そばで見ていることしか出来なかった。

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