今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 そして最後のファイナルゲーム。

 静寂に包まれた会場の中、試合は始まった。


 さっきとは打って変わったようなスローペース。

 どちらかといえば攻撃的だった2ゲーム目とは違ってラリーが続く。

 コートを前後左右に大きく使って揺さぶって、というより陽菜が揺さぶられているのか?


「陽菜の方が追い詰められてる?」

「そうだね。ちょっとやり方を変えて来たみたいだね。連戦の影響って思いたくないけど、桜木選手の方の動きがよくなってきている」


「陽菜、頑張れー」

 って、気づいたときには叫んでいた。

 ここは応援するしかない。

 俺の気持ちが届いて力になれば……

 それしか頭になかった。


 離されて、その度に追いついて、追い越して、そんな場面が何度続いただろう。


 最後の力を振り絞るように戦って、陽菜の雄たけびが何度もこだまする。



 勝たせてやりたい。

 勝ってくれ。


 それだけを願いながら陽菜の姿を追った。

 
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