今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
ずっと続くかに思われた試合も最後が近づく。

 マッチポイントを握ったのは緋色ちゃんだった。

 15-20。

 ゆっくりと高く弧を描いたシャトル。

陽菜が打ち返した羽球を緋色ちゃんがジャンピングスマッシュ。

目にも留まらないような速さで駆け抜けたシャトルは、陽菜の脇をすり抜けてコートに突き刺さった。


陽菜は一歩も動けなかった。
 
ゲームオーバー。

この瞬間、割れんばかりの歓声と拍手が会場に響き渡った。

青藍も紫杏もスタンディングオベーション。

総立ちの観客が見守る中を2人はネットの中央で握手を交わす。

俺は大きく息をついて椅子の背にもたれた。
やっと、息が出来たみたいだ。


隣の歩夢は陽菜を見つめている。
その顔に悔しさとかなくて、慈愛さえ感じるような穏やかさがあった。
 
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