今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「いい試合だったね」


 結果は準優勝。

負けてしまったけど、歩夢の表情は満足そうだった。


「ああ。いい試合だった」

俺も同意。
こんなに手に汗を握る試合を見たのは初めて。

よくやったって、頑張ったなって駆け寄って抱きしめてあげたいくらいだ。


当の陽菜はコーナーに戻って汗を拭っていた。

会場の興奮が少し冷めた頃、陽菜が何を思ったんだろう。

相手コートに近づいて行って、緋色ちゃんに話しかけていた。


「珍しいね。陽菜が自分から声をかけるなんて」

歩夢がちょっと驚いたように目を見開いた。

人見知りするって言ってたよな。

何を話してるんだろう?
おめでとうとか言ってたりするんだろうか。


しばらく見ていたら、緋色ちゃんがこっちを向いて手を振った。

陽菜も彼女に倣ったように、隣に並んで手を振って。
2人揃って、深々とお辞儀をした。


途端にたくさんの拍手と歓声に包まれる。



再び、会場が熱を帯びた。

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