今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「ちゃんとわかってる? 今から経験を積んで実力をつけていけば、オリンピックも夢じゃないんだよ。次回は間に合わないかもしれないけど、その次は? 陽菜は22、3才になってるよ。年齢的にも一番チャンスはあるかもね。その4年後だって無理な話じゃない。もしかしたら、その頃が円熟期かもしれない」

 今、陽菜の準優勝に沸いているところなのに、将来の話を持ち出すなんて。

 こいつ、何を考えてる。

 一方的に言われっぱなし。だけど、適切な言葉は思いつかない。

 陽菜の実力を考えれば現実的な話。

 6年先の将来なんて、ごく近い未来。
 そのくらいの年月なんて、あっという間に来てしまうかもしれない。


「それで?」

「悠兄ちゃんはその頃は何をしてるのかなって思って」

「いきなりそんなことを言われても……」

 言葉に詰まった。
 自分の将来なんて漠然としか考えていなかった。

 大学には行くだろうけど、その先は……


「大学に行くよね?」

「ああ」



 こんな詰問を中学生に受けてるなんて、俺ってどういう立場なんだ。

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