今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「もしも、陽菜がオリンピックに出場して、メダルを獲得したらどうします?」

「もしもの話だろ」


 まだ始まってもいない未来のことを言われても、実際獲得したわけじゃないし。


「想像できませんか? メダリストの陽菜の恋人として隣に立っている自分を。陽菜と並び立てるだけの人格を備えているのかどうかってことを」

 メダリストの恋人? 人格? 


「自分が相応しいとでもいうつもりか?」

「そうなれるように努力をしてるんです」

「努力って?」

「まずは大学。入学するなら最高峰がいいですよね。将来の職業はまだ考えてませんけど、可能性は無限にあるので、ゆっくりと考えていこうと思っています」


 優等生の答え。

 まだ中1で、この年で将来をしっかりと考えている人間の方が少ないと思う。

 無限の可能性。




 俺みたいに親の敷いたレールに乗っかてるのとはわけが違うよな。


  陽菜に相応しい男になるために、自分次第でどれだけでも変わっていける。


  そんなことを示唆しているように、歩夢の瞳は揺るぎない。

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