きみは金色
お互いに、相方にと望む相手じゃないらしい。
「あー……だな、めんどい」
「歌の居残り練習とか、ほんっとだりぃ~。帰りて~」
ため息交じりで、頬づえをつく裕也。
多分、教室にいるクラスメートのほとんどは、裕也と同じ気持ちだと思う。
放課後になったっていうのに、おれたちが今も拘束されている理由。
それは、裕也の言う『合唱コンクール』のせいだったりするんだ。
高校2年も折り返しの時期を過ぎた、秋。
他の高校なら、たいていは文化祭の時期に当てはまる季節だ。
でもおれたちの学校はちょっと変わってるっていうか。文化祭、春にあるんだよな。
新学期に入ったばかりでソワソワしてるうちに終わっちまうから、盛り上がりに欠けるっつーか。
その文化祭に続いて、球技大会。
夏前には体育祭。
そして秋には合唱コンクールっていうバランスで、行事が組まれているんだ。