DL♥︎マスクの奥の。

気づかれないようにしたはずなのに。

そんな私にクスッと笑った先生。

と、同時に視界の片隅に映るその手がスッと動いた。



「…さっきは、ごめんね。」



そう呟く、優しくも、何処か色めいたその声に思わず顔を上げてしまった私。


「っっ!」


その瞬間、胸の奥がドキッと大きく跳ねた。


だって、、



「…とても似合ってたのに。折角のグロス、落とさせてしまったね。」



固まる私の頬に添えられた、大きな手。

その親指がスッと唇の形をなぞり、まるで確認するかのように、一度だけ優しい力がこめられ押される。

「正直、言おうか迷ってしまったんだ。」そう付け足した先生だけど、

返す言葉を探す余裕が今の私にあるわけなくて。

見つめられる唇。

瞼を伏せるその表情が、とてもセクシーに感じた。
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