DL♥︎マスクの奥の。

重要な事に気づき、慌てて目の前の存在を見上げると、そんな私の声に驚いたのか、先生がパチパチと数回瞬きを繰り返した。

そして、クスッと笑って見せる。


「あぁ。それなら、心配ないよ?」

「?」


「気づいてなかったんだね。」そう言ってクスクス笑い出す先生。


…気づいてない?


何の事かと首をかしげる私。


…そういえば、

先程とは違い、シンと静まる院内。
物音どころか、スタッフの方の足音すら聞こえない。…というか、気配さえ。


「もしかして…」


そんな私に、コクコクと頷いて見せる。


「うんうん。気づいたみたいだね。
今はもう、俺と舞ちゃんの2人しかこの場所にはいないよ?」


そう微笑む先生にホッとするも、どこか違和感を感じる。


「…何も言わないで帰っちゃったんですか?」

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