ライギョ
もし安田が生きていたなら俺達と同じ24の安田になっているはずだ。


けれどどう見ても中学生の男の子がそこにいる。


安田にそっくりな。


俺はゆっくり近付きながら声を掛ける。


「お待たせしたかな。…ラビットん星人1号だけど。」


竹脇に言われてる通り彼とのやり取りに使っているハンドルネームを告げると漸くその人物がこちらをちゃんと見た。


息が止まるかと思った。


近付いてこうして間近で見てもやはり、安田だと思った。


けれど決定的に違うと理解したのは


「驚きましたか?」


無表情にそう言う声が女の子のものだったから。


「どういう事か聞かせて欲しい。」


俺は極力落ち着いた声でそう言った。









< 79 / 110 >

この作品をシェア

pagetop