スキと言えるまで。





「答えて。」





「泣くに決まってんだろうが。
ったく、恥ずかしいこと言わせてんじゃねえよ!」





「ありがとう。」





もう、それだけでいいや。
今はそれだけで。
今の樹の目の中にいるのは私だけ。
それで十分じゃない。





「じゃあ、そろそろ病室帰るぞ。」





「えー、お姫様抱っこしてくれたら帰る~。」





なんて言ってみたけど冗談だから。
さて帰りますかね、看護師さんがうるさそうだし。
神谷先生にお話貰いそうだし。






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