スキと言えるまで。
けどそれも一瞬の表情の変化で。
次に浮かんだのはこの状況を楽しむような、笑みを浮かべた。
「まぁ、それでいいや。
後で俺の正体はわかることだし。」
「不思議なやつだな。」
「んなことより、この状況どうにかしたほうがいいだろ。」
「けどそいつ、一回キレたらなかなか…。」
俺の言葉なんかどうでもいいように、小牧たちの方へ向かった…。
少年Aと呼ぼうか。
少年Aは小牧と樹の間に立ち、小牧の髪をひとすくいしてこう言った。
「お嬢さん、少し落ち着いたほうがいいよ。」