桃の花を溺れるほどに愛してる
「桃花ちゃん、どうしたの?元気ないね?」


 榊先輩、アンタのせいだよ!……って、榊先輩に悪気はないんだし、責めたってしょうがないよねー。


「なんでもないです。屋上、行きましょう?」


 このままここにいたら私の精神面が粉々に玉砕するっ!はやくこの場を去りたい……っ!


「わわっ!桃花ちゃんっ?!」


 私は榊先輩の袖を引っ張り、半ば強引にこの場を去り、だれもいない屋上へと向かった。


「そんなに俺と2人きりになりたかったの?」

「は?」


 思わず素の声が出た。

 いやいやいや、2人きりになりたかったわけじゃ……ん?榊先輩とは大事な話をしたかったし、2人きりになりたかったと言えばなりたかったの……か、な?


「……まぁ、大事な話がありますしね」

「あっ、メールで言ってたね」

「はい」


 私は1度、大きく深呼吸をしたのち、思い切って言った。


「榊先輩。私、やっぱり榊先輩とは付き合えません」


 春人と出会ってしまったから。春人のことを、好きになってしまったから。
< 221 / 347 >

この作品をシェア

pagetop