桃の花を溺れるほどに愛してる
「は?あんた、彼氏いるの?!」


 聖くんは驚いたような表情を浮かべた……って、そこまで驚かれると逆に傷付くんですけど?!

 ええ、ええ!確かに私は可愛くないし性格も良くはないから、意外って思うかもしれないけど……!

 1番恋人が出来た現状に驚いているのは、誰でもない私自身なんだからねっ?!

 ああ……春人のことを考えていたら顔が熱くなったような気がする……。


「……その顔を見る限り、マジなんだ。へー。ふーん。そうなんだー」

「なっ、なによ?その反応!」

「べっつにー」


 聖くんが一瞬だけ悲しそうな表情を浮かべていたのだけど、私はそれに気付くことが出来なかった……。

 お弁当を綺麗にたいらげ、聖くんと何気ない会話をしていると、昼休みが終了のチャイムが校内に鳴り響いた。


「あっ、ほら、教室に戻らないと……」

「なぁ、神代センパイ」

「何っ――?!」


 屋上を後にしようとする私の後ろから、聖くんが声をかけてきたので振り返ると……聖くんの顔がすぐ目の前にあった。

 真面目な顔をした聖くんと、バチリと目が合う。突然の不意打ちに、私の心臓はビクリッと跳ねた。


「聖くん……?」

「あのさ、」


 聖くんはそこでいったん言葉を区切ると、再び口を開いた。
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