桃の花を溺れるほどに愛してる
「オススメの店があるんだけど、今日の放課後に一緒に食いに行かね?」

「え……?」

「小さな店なんだけど……ケーキが最高にうまいんだよ、そこ」


 京子の言っていた甘党説……本当だった?!

 いや、聖くんが甘党とかそういうことはいったん置いといて!えっ、一緒に食べに行くって……。


「……放課後は、彼が車で迎えに来ていると思うんだけど」

「は?」

「登下校は毎回、車で送り迎えをしてくれるの。今じゃそれが当たり前になっちゃっているかな……?」

「いや、『かな……?』って聞かれても俺は知らねーし。ってか、マジかぁー……」


 あからさまにガッカリしている聖くんに、私は明るく言ってみる。


「彼が一緒でもいいなら、行こ?私、聖くんがオススメするお店のケーキ、気になるし……」

「……」

「ダメ、かな?」

「はぁ……。そんな顔をして見るなよ。――可愛すぎ」

「え?」

「なんでもない。俺はいいぜ、それでも」

「ホント?!」


 聖くんはコクンッとうなずいた。

 やったー!今さっき聖くんが何を言っていたのかも気になるけど、ケーキの方が気になる……!

 聖くんのオススメするお店のケーキかぁ……!とっても甘くて、おいしいんだろうなぁ!

 そんな期待を胸に、私の今日1日の学校生活は終わった。
< 229 / 347 >

この作品をシェア

pagetop