桃の花を溺れるほどに愛してる
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「どちら様ですか?」


 うっわぁ……これは……間違いなく怒っていらっしゃる……。

 放課後、聖くんと一緒に校門までやって来たのはいいけれど、予想通り、春人は怒っているようだった。

 いや、表面上は人の良さそうな笑顔を浮かべているんだけど、その笑顔が妙に黒いというか……。

 春人の周りを漂う雰囲気が、ピリピリしているような気がします。


「えっと……この人は……」

「ども。1年の龍宮司聖っていいます。神代センパイとは今日から友達っす」


 私の言葉をさえぎり、聖くんは自己紹介をした。しかし……。


「今日から友達……ですか?」


 ひぃーっ!春人の周りの雰囲気が、一段と濃くなったような気がする!

 魔王を召喚しそうなくらいには怖い雰囲気なんですけどっ?!


「ええ。今朝、この学校でちょっとした有名の人と絡んでいるのを見て、その人には気をつけろって注意したら……いつの間にか仲良くなってました」


 榊先輩のことかぁーっ?!


「……なるほど」


 ええっ?!納得したっ?!春人、納得したっ?!そんなので納得しちゃっていいのかっ?!
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