桃の花を溺れるほどに愛してる
「監視カメラや盗聴器を仕掛けていることを、桃花さんが嫌だとおっしゃるのなら……僕はその嫌だという望みを叶えてあげたいんです。桃花さんには笑っていてほしいから、少しでも嫌な気持ちにさせたくないんです。ですから、これくらい、やすいものですよ。それに――」
春人は取り外した盗聴器を机の上に置き、こちらを向いた。優しげなブラウンの瞳が私のことを見つめる。
「――少し桃花さんの姿が見えなかったり声が聞けなかったからといって、僕の愛が冷めるわけではありません。愛の力で我慢します。これくらい、愛の力で乗り越えてみせますよ」
不覚にも、胸がドキンッと高鳴ったような気がした。
言葉で言い表しにくいのだけど、なんというか、かっこよかった。
そんな台詞を初めて、しかも面と向かって言われたものだから、どんな表情を浮かべたらいいのかも分からない。
とにかく、直接「愛している」と言われたわけじゃないけど、そう言われたような気がして、どこかこそばゆい気持ちになった。
春人は取り外した盗聴器を机の上に置き、こちらを向いた。優しげなブラウンの瞳が私のことを見つめる。
「――少し桃花さんの姿が見えなかったり声が聞けなかったからといって、僕の愛が冷めるわけではありません。愛の力で我慢します。これくらい、愛の力で乗り越えてみせますよ」
不覚にも、胸がドキンッと高鳴ったような気がした。
言葉で言い表しにくいのだけど、なんというか、かっこよかった。
そんな台詞を初めて、しかも面と向かって言われたものだから、どんな表情を浮かべたらいいのかも分からない。
とにかく、直接「愛している」と言われたわけじゃないけど、そう言われたような気がして、どこかこそばゆい気持ちになった。