Doll‥ ~愛を知るとき
胸元には、十字架のペンダントが掛かったまま。
そのペンダントを外し、着替え終わったジーンズのポケットに、そっと押し込んだ。
樹のアパートには行けない。
最寄りの駅どころか、あたしは住所だって覚えていない。
樹のケー番も‥。
いつも電話帳や履歴を表示して掛けるだけだった。
だけど、既にアパートの前で待っていた刑事に、彼は捕まっているかもしれない。
もう、樹には会えない。
─ 会いたくない‥
会いたくなんかない‥