Doll‥ ~愛を知るとき
「はい。」
あたしは、振り返り彼を見た。
浩也は、上体を起こし
「明日は、愛翔を実家に連れて行くからな。」
と、言った。
「え‥?」
「愛波が慣れるまでは、親に預けとく。その方がお前も楽やし、親も愛翔がいたら喜ぶんや。」
可笑しな考え‥
愛翔と過ごすことは少しも苦じゃないのに‥
「あたし、愛翔と一緒にいたい‥。だから‥。」
「まだ無理や。」
「無理じゃないです。それに、あたし‥、愛翔がいないなら‥、この家には‥、いたくない‥。」
本心を口にすることに、きっと慣れていない。
酷く緊張して動悸が激しくなった。