Doll‥ ~愛を知るとき
寄せる波を受けて、愛翔は ずぶ濡れになっている。
その小さな体を抱き起こし、涙が溢れて来た。
「ごめんね、愛翔。ホントに、ごめん‥。」
「ママ、あーくん、だいじょうぶで。ママ‥。」
心配そうに、あたしの頭を愛翔が撫でる。
砂の付いた濡れた手のひら。
だけど、とても嬉しかった。
「ありがと。愛翔は優しいね‥。」
早く帰って着替えさせなきゃ‥
風邪をひかせてしまう‥
「お家に帰って、ママと一緒にシャワシャワしよ。ね?」
「うん。」
スーパーの袋を腕に掛けてバッグを持ち、あたしは濡れた愛翔を抱き上げた。