Doll‥ ~愛を知るとき


三人でマンション周辺を歩き、家に帰った。

サニタリーに直行した浩也は

「愛波、愛翔と風呂に入ったんか?」

と、訊いた。


過敏なところも、少しも変わっていない。

あたしは、海辺での出来事を彼に話した。

浩也は、洗濯カゴから視線を戻し

「風呂に入ったあと、散歩するなんか可笑しいやろ。」

と、怪訝な顔を見せた。


怪しまれたかもしれない‥

何か感付いたかも‥


「急に散歩がしたくなっただけ‥、それだけです‥。」

激しくなる動悸を耐え、素知らぬ顔で言い訳をして、あたしはリビングルームに入った。

愛翔の傷痕のことに、浩也は一度も触れなかった。


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