Doll‥ ~愛を知るとき
浩也の視線を感じる。
彼は、あたし達を観察している。
気付かないふりで、あたしは愛翔に話し掛けた。
「あーくん、これは?」
「こだま!」
「じゃ、これは なに?」
「ん~と‥、ちゅばさ!」
愛翔は乗り物がすき。
特に新幹線に興味を持っている。
表紙の剥がれてしまった乗り物の絵本は、愛翔のお気に入りで、以前も毎日見ていた。
可愛い指先で、愛翔が次のページを捲った時
「おい、愛翔に“あーくん”て呼ぶのはヤメろ。」
たまりかねたように、浩也が口を出した。