Doll‥ ~愛を知るとき


微かに覚えている。

いつも怒鳴っていた女の人。

それは、きっと あたしの母親。

大きな声で喚いていた。


「エナ!言うこと聞けって言ってんだろ!!」

「あちゅいー!やだぁ!イタイイタイやだぁー!!」


泣き叫んでいるあたし。

背中が燃えるように熱く痛んでいた。


脳裏に ちらついている、真っ赤なタバコの火。

背中に何ヵ所もある傷痕は、火傷の痕なんだ。


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