Doll‥ ~愛を知るとき
─ 新しい従業員‥
先輩だったんだ‥
信じられない気持ちで、いっぱいになった。
同時に切なさも感じていた。
高校を卒業したあと、樹は、東京に行っていたと話してくれた。
調理師の資格を取り、一年間 東京で働いて、先月こっちに帰って来たんだって。
「やっぱ、地元がいいよな。」
「はい。」
お店が見えて来た。
裏口から、一緒に中に入った。
「じゃ、愛波ちゃん。これからヨロシクな。」
事務所に向かう彼に、軽く頭を下げる。
切なさが大きな波になって、胸の中を渦巻いていた。