Doll‥ ~愛を知るとき
大きな家の広いリビングルームで、ソファに座って緊張していた。
彼の父親のことは知っている。
お店の経営者だし、厨房を仕切っているから‥。
母親に会うのは、今回が初めてだった。
「初めまして。岬 愛波です。」
挨拶をした時、彼の母親はニコリともしなかった。
見下すような目でツンと澄まして、あたしを見ていた。
浩也は、言った。
「愛波と結婚したいねん。」
けれど、頷く父親の横で
「どこの馬の骨かも分からない人を嫁に迎えるなんて、私は嫌ですよ。」
彼の母は、冷めた口調で応えた。