Doll‥ ~愛を知るとき
樹と二人、並んで歩いた。
特に会話をすることも無かった。
暑さのせいだけじゃない、額からも体からも汗が流れている。
よく分からない、複雑な感情。
泣きたいのかどうかも、分からなかった。
浩也と朝美さんは、時間差で店に戻って来た。
何にもないフリで、いつも通り働いている。
もしかしたら、空耳だったのかな‥
確かめることをしなかったせい。
時間が経つにつれ、そんな風に感じていた。