Doll‥ ~愛を知るとき
仕事中、ずっと頭の中が空っぽだった。
オーダーを聞き違えたり、料理をテーブルに運び間違えたりと失敗が続いた。
なのに、ショックを覚えながらも、ココロの何処かで浩也と別れる口実を考えている。
このまま曖昧にしちゃいけないって、そう感じていた。
「愛波、あとで家に行くわ。」
閉店後に片付けをしながら、浩也が言った。
「え‥?うん‥。」
わだかまりを抱えたまま彼に返事をして、あたしは更衣室に向かった。