Doll‥ ~愛を知るとき
先入観かもしれない。
浩也と朝美さんの間に何かあると思い込んでいるから、彼女の笑顔が意地悪に見えただけかも‥。
だけど、そう思えない自分がいる。
湿っぽい夜風を肌に感じて、舗道を歩く。
夜でも鳴いてる蝉の音が なんだか気になった。
ふと、背後から足音が聞こえ、少し怖さを感じて歩調を早めた。
公園の側の十字路を、真っ直ぐに進む。
「お疲れ。」
─ え?
振り返ると、外灯に照らされて樹が微笑んでいた。