Doll‥ ~愛を知るとき
「は?」
浩也が腕の力を緩めた。
あたしは彼から離れ、少し距離を置いて座った。
そして
「今日、倉庫に行った時‥。」
あの時のことを、ゆっくりと話した。
だけど
「無いな。」
一言だけ答えて、浩也は笑った。
「やきもちか?愛波。そんなに嫌か?朝美ちゃんのこと。」
小さな子に問い掛けるみたい、そう訊いた。
─ 嫌‥なのかな‥?
確かに、最初は嫌だった。
でも、今は、分からない。
「分かった。もう、あの子とは喋らんようにする。そんでええか?」
丸め込まれたみたいな気分。
なのに、何も言えなくて、あたしは小さく頷いていた。