Doll‥ ~愛を知るとき
伝えなきゃいけない。
これじゃ、何をしに来たのか分からない。
「あたし‥、先輩のこと‥。」
俯いたまま言いかけた時、
「樹でいいって‥。」
彼は、あたしを抱き寄せた。
網戸になった窓から、涼しい風が吹き込んで来た。
ワンピースから露出した肩に、樹の手のひらが触れている。
「愛波ちゃん‥。」
呼ばれて顔を上げた。
甘い緊張感が走っている。
まるで呼応しているみたい。
自然と唇を重ねていた。