Doll‥ ~愛を知るとき
 

変わったのは、それだけじゃない。

彼の実家に呼ばれて二人で訪れた時は、必ずと言っていいほど

「久しぶりに美味いメシが食えたわ。愛波は下手くそやからな。」

そう言って、義母の手料理を褒め、あたしを貶すようになった。

「夫に、そんなことを言わせるようじゃダメね。」

軽蔑するような義母の視線が、とても嫌だった。


結婚後も義母は、あたしに冷たかった。

妊娠が分かった途端

「従業員に妊婦がいると景気が悪くなるってジンクスがあるのよ。だから、愛波さんは明日から店に来なくていいわ。」

優しさなんて微塵も感じない言葉を投げ付けてきた。

それでも、妊娠後期になり、お腹の赤ちゃんが男の子だと知ると、義母は態度を軟化させた。

「後継ぎが生まれる。」

そう言って喜んで、ベビー用品を買っては、あたし達の家に持って来るようになった。


 
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