Doll‥ ~愛を知るとき
母親の名前から一字を与えれば、女の子は幸せになるんだって、隣のベッドの狭山さんに聞いた。
男の子だって、そうであって欲しい。
たから『愛翔』って名付けようと決めた。
大空に翔く、愛溢れる男の子に‥。
そんな願いを込めて。
だけど‥
「愛波、元気か?」
義母と共に見舞いに訪れた浩也は、あたしの顔を見るなり和紙を広げた。
その和紙には、毛筆で『浩一郎』と書いてあった。
「赤ちゃんの名前や。おかんが名付けの先生に決めて貰ってきた。ええ名前やろ。」
嬉しそうに笑う浩也の横で、義母は満足そうに頷いていた。