Doll‥ ~愛を知るとき
「久しぶり。」
樹は、優しい笑みを見せた。
その笑顔に瞳が潤んだ。
「愛波ちゃんの赤ちゃんは?」
もう『愛波』って呼んでくれない。
遠くなってしまった関係に寂しさを感じる。
無言のままガラスに指を付けて、あたしは愛翔を指し示した。
「オレの‥子‥?」
労るような声。
涙が零れそうになる。
「違う‥。」
一言、答えるのがやっと。
胸が詰まって、息をするのも苦しかった。
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