Doll‥ ~愛を知るとき
「浩也に聞いたけど、ぼくちゃん、熱出したの?」
「はい。」
「そんな小さな子に風邪をひかせて、あなた母親失格ね。」
「え?」
我が子が熱を出したのに、帰って来ない浩也は父親失格じゃないの?
思っても、口には出せない。
出したところで、また あたしが責められるだけ。
「すみません。気を付けます。」
義母の小言を聞いたあと、電話を切って溜め息を吐いた。
愛翔に困ったことが起きれば、あたしは『母親失格』だと責められる。
寝返りを打ってベビーベッドの柵におでこをぶつけただけでも、夜泣きをしても、浩也が義母に報告する度に『母親失格』だと罵られる。
それがプレッシャーになっていた。