Doll‥ ~愛を知るとき
ハイハイをして、掴まり立ちをして、愛翔は順調に育っていた。
相変わらず我慢ばかりの日々は続いていたけど、我が子の愛らしい姿に いつも癒されていた。
10月。
生後11ヵ月になった愛翔は、伝い歩きをすることなく、ひとりで歩けるようになった。
大抵の子どもは、一歳の誕生日を過ぎた頃に歩き出す。
「さすが俺の子やな!」
愛翔は運動神経がいいんだと言って、浩也は喜んでいた。
11月。
愛翔の誕生日は、浩也の実家で盛大に祝った。
「将来はスポーツ選手にでもするか。俺が鍛えたるわ。愛翔、根性やぞ!」
それまで育児に無関心だった彼が、愛翔に関心をもつようになった。
だけど、“鍛える”の意味を履き違えていた。
浩也は、愛翔が泣くと怒るようになった。