Doll‥ ~愛を知るとき


和室の押し入れの上には、天袋かある。

そこに、貯金箱を隠していた。

毎日 僅かな小銭を入れて、一ヵ月分を郵便局に持って行き、通帳に入れる。

そんなことを繰り返した。

押し入れの天袋なら、きっとバレない。

そう思っていたのに‥。

ものの数ヶ月、あたしの21歳の誕生日の前夜、浩也に見つかった。


「お前、これ何やねん!」

通帳と貯金箱を あたしの前に突き出して、浩也は怒鳴った。

「逃げる為の資金か?出て行きたかったら行けや!でもな、愛翔は置いて行けよ!愛翔は、俺の息子じゃ!お前には、やらん!」

顔を間近に近付けて臭い息を撒き散らし、ものすごい形相で怒鳴っている。

散々 喚いたあと、彼は恐怖心から泣き出した愛翔を寝室へと引きずって行った。


 
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