Doll‥ ~愛を知るとき
もう、すきにすればいい‥、そう思った。
どうせ何を言っても伝わらない。
“俺の息子”だと目くじら立てて怒鳴るなら、すきにすればいい。
虚無感しか無かった。
愛翔を引きずって行く彼を、あたしは止めることをしなかった。
扉の閉まった寝室から、浩也の怒鳴り声が響く。
「泣くな!お前は男やろ!泣くな!」
引きつったような、愛翔の泣き叫ぶ声が聞こえる。
─ 知らない‥
もう、何も知らない‥
どうすることも出来ない‥
あたしは両手で耳を塞ぎ、床にうずくまっていた。