Doll‥ ~愛を知るとき


“俺をここまで怒らせた”なんて言葉は、理性の無い人間の言い訳でしかない。

自身で制御出来ない感情を正当化しているだけ。


ただ、あたしが臆病だから、愛翔を こんな目に合わせてしまった‥

あたしがダメなママだから‥


ゲラゲラと下品な笑い声を上げて、浩也が笑っている。

その背中に殺意さえ感じた。


出て行こう‥、そう思った。

こんな異常な生活に何の未練も無い。

施設の先生に相談すれば、生活出来る知恵を与えてくれるかもしれない。

「あーくん、病院に行こ。」

浩也に聞こえるように言ったのは、怪しまれない為。

家を出る為の口実だった。

振り向いた浩也は

「あほか!火傷の理由、どう説明するつもりじゃ!俺に恥かかせる気か!」

声を荒げて立ち上がり、大股に歩いて来た。


 
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