Doll‥ ~愛を知るとき
高校一年生のあの日、玲央と歌穂は離れ離れになった。
ケータイを持つことは施設では禁止だったし、お互い移動した施設の場所を知らなかったはず。
「ね、どうやって会えたの?」
その問い掛けに、歌穂は照れたように微笑んで
「玲央が会いに来てくれてん。」
と、言った。
玲央は毎年、夏休みの数日間を祖母の家で暮らしていた。
高校生になった夏、彼は祖母にケータイを買って貰った。
「誰にも内緒で、ずっと隠し持ってたからな。」
そう言って、玲央は悪戯な笑みを見せた。
「その番号、うちだけ知っててん‥。」
離れ離れになって、歌穂は玲央へのホントの想いに気付いたって言った。
だから、玲央に電話をしたんだって‥。
幸せそうな瞳をキラキラさせて、彼女は話していた。