Doll‥ ~愛を知るとき
夜になっても、浩也は帰って来なかった。
身勝手な彼は、いつだって帰りが遅くなることを連絡してこない。
あたしも自分からは電話したりしない。
無駄になった夕飯を冷蔵庫に片付けて、ベッドに入った。
深夜、帰って来た物音で目が覚めたけど、気付かないふりで眠った。
いつもの時間に目覚まし時計の音で起きた時には、彼はベッドにいなくて、不思議に感じながらリビングルームに入ると、浩也はソファで眠っていた。
「起きて。ね、もう起きないと遅刻するよ。」
寝不足で真っ赤にした目を開けて、浩也は起き上がると
「朝飯いらんわ。」
不機嫌な声でそう言って、支度をしたあと仕事に出掛けた。