Doll‥ ~愛を知るとき


仕事中、ずっと落ち着かなかった。

朝美さんのことが とても気になっていた。

お酒の在庫チェックをして三時に仕事を上がり、あたしは事務所に入った。

誰もいないことを確認して、従業員名簿を開ける。

朝美さんの家の電話番号を見つけ、メモに走り書きをして名簿を元の場所に戻した時だった。


── カチャ‥


静かに事務所のドアが開いた。

「お疲れさん。」

浩也は、あたしに向けて声を掛けソファに腰掛けた。

あたしは怪しまれないように、電話番号を控えたメモを制服のポケットに押し込んだ。

「あ、お酒を発注するけど、他にも何かある?」

受話器を取りながら事もなげに尋ねてみたけど、内心とても焦っていた。


 
< 420 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop