Doll‥ ~愛を知るとき
仕事中、ずっと落ち着かなかった。
朝美さんのことが とても気になっていた。
お酒の在庫チェックをして三時に仕事を上がり、あたしは事務所に入った。
誰もいないことを確認して、従業員名簿を開ける。
朝美さんの家の電話番号を見つけ、メモに走り書きをして名簿を元の場所に戻した時だった。
── カチャ‥
静かに事務所のドアが開いた。
「お疲れさん。」
浩也は、あたしに向けて声を掛けソファに腰掛けた。
あたしは怪しまれないように、電話番号を控えたメモを制服のポケットに押し込んだ。
「あ、お酒を発注するけど、他にも何かある?」
受話器を取りながら事もなげに尋ねてみたけど、内心とても焦っていた。