Doll‥ ~愛を知るとき


繰り返される暴力も過敏に干渉されることも、たまらなく嫌なのに、順応するのかもしれない。

別れることも逃げ出すことも、日に日に真剣に考えなくなっていた。


六月。

一歳七ヶ月になった愛翔は、自分のことを

「あーくん」

って、言えるようになった。

だけど、そのことを義母は嫌った。

「愛波さん、この子は男の子なんだから、“ぼく”って言わせなさいね。」


あたしの子どもなのに、義母にあれこれ指図されることにも、いつしか順応していた。

浩也や義母達の前で、あたしは“あーくん”と呼ぶのをやめた。


 
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