Doll‥ ~愛を知るとき
このまま死ねたら、どんなに楽だろうと思った。
だけど、愛翔を置いて逝くことも、道連れにすることも出来ない。
人なんて、そんなに強くは生きられない。
たった一人で逆境に耐え抜くには、力が足り無さ過ぎる。
それでも、世の中には、子どもを守る為に必死に生きてる人もいる。
あたし、そんな強くはなれない‥
幸せなんて、いらないから消えたい‥
このまま苦しみから逃れることが出来ないなら、消えたいよ‥
そう願った時
─ 幸せになりなよ‥ ─
ふと、樹の言葉が脳裏を過った。