Doll‥ ~愛を知るとき


ねぇ‥

樹は、ホントに あたしがすきだった?

あの夜、本気で あたしを奪うつもりだった?

あたしが人形のように意志を持たずにいたら‥

あのまま、樹に全てを委ねていたら‥

今頃、あたしは樹に愛されていた?


── 樹‥


砂浜にしゃがみ込んで、想いを文字にした。

零れた涙が砂に溶けていく。


   いつき

   だいすき

   あいたい


「会いたいよ‥。」

呟いた時、海鳥が哀しい声で鳴いた。


 
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