Doll‥ ~愛を知るとき
見えていないんだ、何も‥。
何も見ようとはしない。
自分は間違っていない。
そう思うことで全てを正当化している。
夜、帰って来るなり、浩也は あたしを殴った。
もう何度も殴られているから、左耳がおかしくなっている。
「お前、親にいらんことゆーたやろッ!」
部屋の中を引きずり回されても、今は叫び声も出ない。
ただ、彼の怒りが鎮まることを歯を食い縛って待っている。
何をしても、裏目に出るだけ。
前向きになりかけていた気持ちは、打ちのめされて消えた。