Doll‥ ~愛を知るとき
火傷には至らなかった。
だけど、その夜以来、愛翔は あたしがお風呂に入れている。
浩也に任せることが怖くなった。
「庇うから甘える」
そう責められても、傍観者のように見ていられない。
自分がされた時のことを考えたら、そんな酷いことは出来ないはず。
なのに、子どもが痛がる姿を見て笑っている。
丸刈りにした愛翔の頭も、浩也に髪を掴まれない為。
予防線を張らなければ、安心の無い生活。
─ もう耐えられない‥
頭の中を重い嘆きが充満している。
気付けば、あたしは自分の髪を掴んで強く引っ張っていた。
「何してんねん、お前!あ~、しょーもな!二人でママゴトでもやっとけや!」
吐き捨てるように言って、蔑んだ目で睨むと浩也は家を出て行った。