Doll‥ ~愛を知るとき
─ もうイヤだ‥
頭が変になりそうだった。
心臓は落ち着きをなくしていた。
このまま愛翔に辛い思いをさせる訳にはいかない。
ホントに母親失格になってしまう。
─ 逃げよう‥
大急ぎでバッグに身の回りの物を詰めて、愛翔の通帳を入れた。
少しの間なら、歌穂に泊めて貰えるかもしれない。
それから先のことは、考えればいい。
「あーくん、行こ。」
泣き止んだ愛翔を抱き上げて、バッグを肩に提げ、あたしは家を出た。