Doll‥ ~愛を知るとき
『鍛える』の意味も『愛情』の意味も履き違えている。
説明したって分かってくれない。
分かろうと歩み寄ることさえせず、あたしや愛翔を支配することで、彼は満足感を覚えている。
我慢をして当たり前、そんな状態から逃げ出したかった。
まだ正常さが残ってる間に逃げないと、ホントにダメになってしまう。
「あーくん。大丈夫だからね。」
話し掛けながら、チャイルドシートに愛翔を座らせた。
だけど、その言葉は自分への励ましだったのかもしれない。
運転席に座って、イグニッションにキーを差し込む。
極度の緊張感が体を震わせていた。