Doll‥ ~愛を知るとき
拒否権は無い。
愛翔を抱っこしたまま、助手席に座りドアを閉めた。
途端、浩也は、あたしの髪を鷲掴みにして、無言のままガンガンと窓ガラスに打ち付けた。
怒鳴らない、その行動が更に恐怖を掻き立てる。
痛覚が麻痺するのか痛みが飛んだ頭で、あたしは朦朧としていた。
抱きしめた愛翔は固まったまま、泣き声すら上げない。
「愛波、俺から逃げれると思うなよ。」
呻くように言って、浩也は車を出した。