Doll‥ ~愛を知るとき
「背中に そんな汚い痕付けて、逃げても誰も拾ってくれへんぞ。」
火傷痕のことを引き合いにして、浩也は、あたしを馬鹿にするようになった。
「俺くらいや。我慢出来る男は。俺がどんだけ優しいヤツか分かるやろ。」
悔しさを感じながら、頷いている。
だけど、その言葉を投げつけられる度に樹を思い出すことになった。
背中にkissしてくれた樹。
何も言わず、ただ暖かさをくれた。
── 樹‥
─ 会いたい‥
バスルームのシャワーの音に紛れて声を殺して泣く。
そんな夜が増えた。